競艇界の師弟関係とは?

  1. 競艇選手の師弟関係とは?

  2. 競艇検証.com」で時折更新している「競艇女子」では、美人競艇選手や、覚えておくと良い女子競艇選手をピックアップし、出来る限り選手本人を「検証」しているのだが、その際「師匠」とか「弟子」という言葉がでてくることが多い。

    ソレは言葉通り競艇の技術を磨く為に師と仰いだ「師弟関係」のことだが、競艇選手の間にある「師弟関係」とはなにか?…ソコを今回は参考選手も挙げて解説していこうと思う。


    競艇ボートレースでは、やまと競艇訓練所で訓練を受け、なんとか無事卒業した選手達は、プロとしてデビューをするわけだが、やはりプロとしての慣習や、技術的な事で知らない事が大変多い

    「やまと競艇訓練所」はわずか1年の訓練校なので、卒業後には自分が所属している支部(出身県)の先輩から色々と教えてもらうというのが常なのだが、その延長上で、先輩レーサーに弟子入りをするといった風習が競艇の中にはある。
    もちろん、全員の選手が「弟子入りしなければならない」といった規定があるわけではなく、あくまで弟子入りしたい者だけが、するといったものだ。

    では、そもそもなぜこのように、弟子入りという風習があるのだろうか?
    相撲部屋や、道場の師弟関係でもないのに、どのようにして師弟関係になるのだろう?


    まず、要素として大きいのが、旧プロペラ制度の影響という事だろう。
    2012年の5月から現行の制度に変わったのだが、それ以前までは持ちペラ制度」というのがあり、選手自身が自作のプロペラを所有し、レース場にそのプロペラを持って行くという制度だった。
    …なので、好モーターなら、活躍は必至だし、例え低調モーターを引いても、プロペラの調子がよければ「ある程度は成績が残せる」といったように、「プロペラ」というものが選手にとって、とても重要な要素であったのだ。
    競艇ボートレースに重要なプロペラ 


    以前は同じ支部の仲のいい選手同士が、プロペラ作りの情報や技術を共有しあうために「プロペラグループ」なるものを作っており、その中で、先輩後輩の関係もあり、軍隊のような「やまと競艇訓練所」を卒業した選手たちは自ずと先輩を敬う師弟関係が結ばれていったというのが、この競艇でいう「師弟関係」風習の始まりだ。「プロペラの師匠」なんて呼ばれてた時もあった。


    デビューしたての新人選手は、プロペラの技術は皆無に等しく、どこかのプロペラグループに所属するか、先輩に教えてもらうしか、技術向上できないので、まずそういった面倒を見てくれる存在を見つけるところから、選手生活はスタートしたのである。
    もちろん弟子入りなどせず、独学でプロペラの技術を学んでいった選手もいる。

    プロペラをきっかけに、それ以外にも旋回技術を指導したり、人間的な指導も行ったりするといった関係もでき始め、本格的な「師弟関係」というものが出来たのだ。
    現在となっては、持ちプロペラ制度が終わり自前のペラではなくなったので、自然と以前のような「プロペラグループ」ではなくなったのだが(今でもグループは存在し、木製ハンマーでのみ叩けるので、その技術の受け継ぎはある)その名残で、未だに競艇選手間では師弟関係が存在している。

    因みに、それでも今の「ペラ制度」になっても、モーターとプロペラの整備力が一人前のレベルに達するまでには、4、5年はかかるというのだから、新人の選手は技術もだが、学ぶことが多く独学で学ぶには無理があるので「弟子入り」するのだ。



  3. 競艇では、弟子入りするとどうなるか?

  4. では実際に、弟子入りするという事はどういうことなのだろうか。
    「落語家」などで、師匠に弟子入りすると、師匠の家に住み込みで生活したり、師匠の身の回りの世話を、弟子が全て担当するといったような風習があったりするようなので、世間一般的に考えると「師弟関係」というものは、そういった関係を想像する人が多いだろう。

    しかし、競艇界の師弟関係は、「住み込みで師匠の世話して学ばせてもらう」といったようなものではない。…そもそも「競艇」の場合レースに斡旋されるものなので、全国24競艇場に各々が行かなければならず、ずっと一か所で「師匠」の生活パターンに合わせて生活を共にすることは不可能なのだ。


    もちろん前述したとおり、以前はグループに入ったり、プロペラを教えてもらう人に直接頼みこんだりしたりしたそうだが、現在の「競艇選手の師弟関係」は、弟子入りする時でも「弟子入りさしてください」「分かりました」…のように門下生が道場の扉を叩くというより、なんとなくスタートする場合が多いようだ。
    金銭的に奉納するみたいな事もなく、先輩が後輩のターンを指導したり、相談にのっていたりするうちに、なんとなくそのような「師弟関係」になっているといった感じなのだろう。

    弟子入りしてのメリットというと、やはり旋回技術やその他いろいろな面で、師匠から学べるというのが大きいようで、師匠も弟子だと、他の後輩には言いづらいようなことでも言えるだろうし、厳しく指導することもできるのだ。



  5. 競艇界の有名な「師弟」を3組紹介

  6. 競艇選手界には、さまざまな師弟関係があるのだが、具体的に取り上げてみたい。

    艇界のライジングスター・山崎智也の師弟関係
    廣町恵三師匠と握手してる山崎智也選手 
    ↑廣町恵三師匠と握手してる山崎智也選手


    まず、艇界のイケメンレーサー山崎智也の師弟関係についてだ。
    少し前の「競艇界の貴公子」と言えばライジングスター・山崎智也選手。で、その師匠は、引退した廣町恵三である。
    師匠の廣町恵三氏は2007年に現役引退して、現在はJLC(競艇専門チャンネル)の解説者をしているのだが、廣町恵三氏が競艇引退して、如何わしい競艇予想サイトの予想屋として名前貸しなどしてなくて安心だw

    この「廣町恵三師匠と 山崎智也選手」の師弟関係で取り上げたいのは、弟子が師匠よりも圧倒的に成績を残しているということだ。

    もちろん廣町恵三自身もSGに出場したことのある元選手で、群馬の強豪レーサーだったのだが、山崎はそれとは比べものにならないくらいの成績を現在記録し続けており、艇界の歴史上でも上位に名を連ねるような選手になっているのである。

    それくらい差があれば、教えてもらう事も無さそうなものだが、やはり山崎智也自身も廣町恵三から、モーター整備やプロペラのアドバイスをもらうことによって、ここまでの選手に成長したのである。
    引退後の、師弟対談の記事での山崎の話では、精神的な面で支えてもらった旨を語っており、いくら弟子が師匠よりも強くなろうとも、師匠というものはとても大切な存在だということが分かる。



    現在の競艇界ナンバーワンレーサー、峰竜太の師弟関係
    峰竜太師匠が真ん中、左右が弟子の右が山田浩二、左が上野真之介 
    ↑峰竜太師匠が真ん中、左右が弟子の右が山田浩二、左が上野真之介


    現在の競艇界ナンバーワンレーサー、峰竜太弟子は3人もいるのだが、峰竜太が他の師弟関係と少し違うのは、弟子との年齢差が少ないことだ。
    2019年4月、峰竜太自身が 34歳であるにもかかわらず、一番弟子の山田康二は31歳と、その差3歳しか違わないのだ。
    デビューも3年半、峰が早いだけで、師弟というよりも、先輩後輩関係に近いような差なのだ。

    そしてもっと驚くのが、峰が弟子をとったのが、今から5年くらい前の 20代の頃だったことで、競艇界でも20代の選手が弟子をとるというのは極めて異例な事で、この若さにして弟子をとるのは競艇界関係なく、どの業界の師弟関係でもかなり「早い」だろう。

    峰竜太自身は、若くして弟子をとる事によって、自分自身に責任感を持たせようという事でとったそうで、実際、それ以降の峰の成績も飛躍的に上昇して、遂にはグランプリを優勝するまでになったのである。
    このように師匠が弟子によって成長することもあるようだ。



    艇界の王者・松井繁の師弟関係
    松井繁(左)と鎌田義(右)の師弟関係 
    ↑松井繁(左)と鎌田義(右)の師弟関係


    最後は、艇界の王者・松井繁の師弟関係だ。
    松井繁の師匠金谷英男であり、松井繁は一匹狼感あるので、弟子がいなそうだが、弟子は「北村征嗣」と「山本隆幸」、そして「鎌田義」の3人である。
    鎌田は2017年に腰痛か、足とかそんなので引退したらしいのだが、松井との仲の良さはとても有名だった。

    そして、この鎌田義と山本隆幸は兵庫支部所属なのに対して、松井繁は大阪支部所属と、支部が違う中での師弟関係というのは、競艇界では珍しい事である。
    鎌田義も山本隆幸も、松井繁を尊敬するあまりに、必死に頼みこんで弟子にしてもらったようで、所属支部を越えた、師弟関係も競艇界には少なからず存在する。

    以上の様に、競艇界には様々な形の師弟関係があるのだが、全てに共通しているいえることは、世間一般にいうような師弟関係とは全く違うということだ。
    競艇界独特の師弟関係、これもまた競艇を面白くする上で、重要なスパイスなのかもしれない。


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